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洞泉寺の湯船

 今昔物語集の天狗譚を題材にした『是害坊絵巻』というのが泉屋博古館にあり、重要文化財になっています。

 先生がよく題材に取り上げられていて、この絵巻の中に湯槽が描かれています。

 先生はお風呂のことを随分気にされていたようですが・・・。

 郡山の洞泉寺にこの絵巻に出てくる湯槽とよく似た石槽がおかれています。

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 以前は境内の別の場所にあったのですが、保管・保存の問題からか、現在は以前と比べるとちょっと見にくい場所に置かれていて、すこし残念。

 『ふるさと郡山歴史事典』(大和郡山市1987)によると、全長2.55m、幅1.32m、高さ0.85mで、内側の一隅に水落しの穴があります。内側の四方に、薬師・宝生・弥陀・不空成就の四仏の梵字が刻まれていて、その書体から鎌倉時代のものとされているようです。奈良阿閦寺の沐浴器、新木山古墳から出た石棺、洞泉寺の垢孤地蔵の湯槽石などの説があるとのこと。

 石槽はあまり残っていないようで、先生もよく授業でこれについて触れておられました。

 もう10年以上も前になりますが、先生が郡山で講演された時、少し早めに会場に行こうと駅のところを歩いていると、先生とお会いし、「これから洞泉寺に石槽見に行くけど、どうや?」と言われ、ご一緒したことがありました。その頃は今とは違う場所にあって、先の水落しの穴や梵字を見ることができ、先生からその辺りのお話も聞くことができました。今となっては懐かしい思い出です。