奉行や学者の墓のある寺−法蓮町・瑞景寺
法蓮町の狭岡神社の少し東南にこれまで知らなかった「瑞景寺」という禅宗のお寺があります。
先日、奈良市史の通史編3を読んでいたら、奈良奉行や狂歌師、儒学者の墓所がいくつかあるとのことで、どんなお寺なのか興味がわきました。
先週後半、法蓮町で仕事をする機会があり、寄ってみました。
墓地を歩いていると、ちょっと不審だったのか、お寺の方から声をかけられ、「こういう人のお墓を見たくて」というと、ご住職を読んで下さり、案内していただきました。
墓碑には「菊坪岡先生」とありますが、本来は岡菊坪という名前だそうです。奈良奉行所によって設立された明教館の第二代の教授とのこと。
こちらは側面に「奈良奉行小出」とあるので、天明7年から8年にかけて奈良奉行であった小出兵庫の墓碑でしょうか。奈良市史をみても、天明8年9月20日に奈良で死亡したことにより退任になっています。
家に帰って奈良市史を見直すと、奉行所の与力で文久の陵墓調査に関わった、かの中条良蔵のお墓もあるとのことで、これは見忘れたので、もう一度行ってみようかと思います。
この他にも草相撲の力士とか、杉岡宵眠・久世宵瑞・橘宵甫といった狂歌師のお墓も教えていただきました。
法蓮あたりは興福院や不退寺などもあり、かつては静かないいところだったと思われます。
瑞景寺。今はあまり知られていないようですが、これほどの人物のお墓があるのですから、かつては格を誇ったお寺だったのではないのでしょうか。