落ち着いた雰囲気の冬のお寺
奈良市の東方、白毫寺町にあるその名も「白毫寺」は眺望のいいお寺です。
冬は空気が澄んでいるので、遠くまでよく見えて、南の方は二上山から北は北摂方面まで見えているようです。
入り口は、西から入ると戒壇を登っていかなければならず、ちょっと大変に思う人もいるかもしれませんが、いい雰囲気を醸し出している入山口だと思います。階段が鍵の手に曲がっていて、まっすぐ中がみえないのもいいようにおもうのですが。
花のお寺としてもよく知られていて、特に椿は「五色椿」、「白毫寺」と名木があり、五色椿は奈良県指定天然記念物になっています。この日は子福桜が花を咲かせていました。
それにしても残念なのが、多宝塔。
今は跡しかありませんが、大正時代にお寺から流出し、兵庫県のとある場所に移されていたことがわかったものの、10年ほど前、山火事で焼失してしまったとのこと。
景色を眺めながらお茶でもいただけるような場所、例えば慈光院とか、お茶はなくとも建物の中で景色を眺めていられるような場所、例えば京都の円通寺とか、があってもいいのに、とも思いましたが、そういうのがないのがこのお寺のいいところなのかも。あまり人が多く来すぎても、かえって雰囲気がくずれてしまうことになるかも。
この静かな季節が似合うお寺だと思います。