仏像雑感

 先日来寧した岡山在住の後輩夫妻は、今回の主目的は奈良国立博物館での鑑真和上展をみることだったのですが、奈良が好きで、そのせいかどうかはしりませんが、先日は東京へ「阿修羅展」を見に行ってきたとのこと。確かに興福寺ではぐるりと見る訳にはいかないしなぁ。新聞では、阿修羅像の顔が夏目雅子に似ているとか「カッコいいし、彼氏にしたい」なんて声が掲載されていた。

 あの阿修羅像は、本来は群像の一部で『金光明最勝王経』の一場面を形づくるなかの一体としてとらえるべきものらしい。表情は懺悔の情景だそうだ。
 古代(に限らないけど)、仏師達はこういった世界を理解、あるいはそういった世界の中に暮らしていたと言ってもいいのかもしれませんが、そうでないとあの表情は作りだせないように感じられる。
 モノには心が宿っていることを忘れないでおこうと思います。