志の輔独演会

 昨日は志の輔独演会へ。

 1.看板に偽り有り

 早めに大阪へ出て、お昼を食べようと思って、町をぶらぶらしました。

 お蕎麦が食べたく、しばらく歩いてたら、「手打ち信州そば」と看板にあるのをみて、ひょっとしたらと思って入ってみました。おなかがへってたので、「ざる定食」を注文。ひょっとしませんでした。お蕎麦は「べちゃべちゃ」といった感じだし、あれは手打ちじゃないですね。信州で食べたお蕎麦はあんなものではありませんでした。自業自得ですが。久々にまずい思いをしました。蕎麦湯はでてきたんですけどね。

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 2.当代の大看板

 夕方5時半から、国立文楽劇場にて「志の輔独演会」を聴きました。すばらしかったです。

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 会場も初めて行った文楽劇場でしたが、席もわりとゆったり作られていて、前の席とは半分ずつずらしてあり、見やすかったです。さすが税金で作られた劇場だけのことはありますな。

 開口一番は、志の輔師匠の二番弟子の志の八さんの「牛ほめ」。丁寧な語り口でした。

 次いで志の輔師匠の新作。清水義範の「バールのようなもの」をネタにしたような噺。

 中入りのあと、内海英華さんの女道楽。この芸を伝えているのはもう英華さん一人だそうだ。見事な三味線と都々逸だった。なくなってしまうのは、もったいないなあ、と思う芸でした。後を継ぐ人がいるのかどうか。

 トリは志の輔師匠の古典「柳田格之進」。

 いやあ、すごかった。ホントに聴き入ってしまいました。

 この噺は初めて聴きましたけど、本来はさげはないらしいのですが、昨晩はさげをつけてはりました。

 15年ほど前、初めて志の輔師匠を聴いたときの噺は「井戸の茶碗」で、浪人の侍の姿がいいなあと思いましたけど、今回もその思いを改めて感じました。

 私はこの人の古典が大好きです。この古典があるから新作もいいのだと思います。

 落語の伝統をしっかりと身につけ、現代に活かし、時代へ受け継げる、当代随一の噺家だと思います。