たまには

 たまには仕事の話を書いてみることにしよう。

 仕事で職場の書庫の整理をすることになった。小さい書庫だけど、前任者たちの努力でNDC(だったけな)に準拠した形で分類して、シールをはって、本が並べられている。もちろん、図書カードもある。しかし、僕にはそんな力もないし、いまからその分類を勉強しようという気にもなれない。報告書や論集は今のままで問題なさそう。で、どうしようかと迷ったあげく、やってはいけないことかもしれないけれど、自分が使いやすいように(といっては語弊があるけれど)分類して、置き直してみることにした。何から手をつけようか悩んだ末に、まずは展示図録からかかることにした。

 今の並べ方は地方別、県別。おそらく最もオーソドックスなやり方なんだろう。でも、今、自分が展示に関わる仕事をしていて、写真なんかを探す時のことを考えた。どこで、どんな展覧会が行われているのか。あるテーマの写真を探したいと思った時にわからなかったことがあった。そこで、「常設展示図録」、「仏教美術」、「焼き物」、「瓦や寺院」、「埴輪」などで分けてみた。類例を探すときなんかは役に立つような気がする。ただし、「弥生博」や「橿考研博」、「飛鳥資料館」なんかはそのまま揃えておくことにした。これって分類の原則からは外れているんだろうな。リンネさんはすごいなあ。でもとりあえず、しばらくこれでやってみようと思う。他の人には使い勝手が悪いかもしれないけど、担当が変わればまた誰かが直すだろう。改めて「分類する」ってことを考えさせられた。

 考えついでにもう一題。今日の新聞に藤原宮でみつかった富本銭の記事が載っていた。発表のとおり地鎮なんだと思う。でも、僕が思っているのは富本銭が流通貨幣かまじない用の銭かってこと。飛鳥池遺跡での発見で流通貨幣であるっていう考えが「定説」になっているでしょう。ただ、それにしては出土例が少なすぎるような気もする。萬年銭や神功銭以降の例から和同銭も「わどうかいほう」と読むべきだと思うけど、和同銭は流通銭ですけど、まじない(胞衣壷や地鎮)にも使われている。でも、富本銭は2文字で、和同銭以降は4文字で、この違いをどう考えるのかとか。今回の藤原宮の例だけで富本銭がまじない用の銭だと言い張る気はないけど・・・。う〜ん、難しい。他の人にとってはもう答えがでていることかもしれませんが。

 日頃、し慣れないことをすると疲れる。頭を使う(大げさ?)のはこのへんでやめておこう。「考古」とつけるのも大げさすぎたかな。